PASSENGER
〜 a train named Big City 〜
(c) Mitsuko Komuro
Nobody cares what you want
(君が何を欲しいのか 誰も気にしない)
Nobody knows who you are
(君が誰なのか 誰も知らない)
Tell me what's your destination
(目的地はどこか 教えてよ)
You need another passenger
(君には もうひとりの乗客が 必要さ)
Ticket, ticket, ticket
(チケット チケット チケット……)
You want someone to guide
(案内する誰かが 欲しいだろ)
You need someone to love
(愛する誰かが 必要だろ)
Anyway, anywhere
(なんにしても どこかでね)
Hey, what's your destination
(ほら 君の目的地はどこなんだ)
Show me your ticket
(君のチケットを 見せてくれよ)
You can't change the subject
(話題を変えちゃだめさ)L-I-N-E X 地下鉄が街をふるわせ
R-O-U-T-E 8 ブルースを刻んで走るよ
E-N-T-E-R バラバラのリズムで Passenger
T-R-A-C-K 行先は誰も知らないRestless night(休息のない夜) 眠りをうばう
Through the night(今夜ずっと) 街を抜けだし
Where do you go(君はどこに行くのか) たどりつくんだ
Lonely Toughness(孤独なタフさで) 夢のステーションTime Time No No Time(時間、時間がないよ) 愛しあう時もなくして
Uptown Downtown Way(アップタウン行きも 下町行きも) レールが暗闇 引き裂くEmpty Heart(からっぽな心) ひとりぼっちの
Strange Face(見知らぬ顔) 見知らぬ顔に
Silent Soul(無口な魂) 合図を送れ
Lonely Toughness(孤独な強さ) 君だけじゃないV-I-D-E-O コマ落としの恋すりきれ
R-A-D-I-O くり返しの歌 叫ぶよNo more Pain(もう痛みは無しさ) 生き残るなら
Make them free(すべてを解放させよう) 粉々になるまで
From the train(このトレインから) 捜し出すんだ
Lonely Toghness(孤独なタフさで) 君のステーション作詞 西門加里
作曲 小室哲哉
ニューヨーク。地下鉄。様々な顔。それぞれの目的地。それぞれの迷った魂。それぞれの心の中の静かな悲鳴。孤独への恐怖――というようなイメージが、いろいろ飛び交っていて、この詩を書きました。それと、この曲で、初めててっちゃんから「冒頭にラップを入れるから、そういう感じで英語入れてね」と注文を受けました。自分なりに「こんな感じで歌うかなあ」とか、スタジオで冒頭の詩をラップぽく歌ってデモテープに入れました。後は、NYに実際にマスターテープを持っていって、現地の黒人シンガーが、カッコいいラップを入れてくれてました。自分が書いた英語詩を、生まれてはじめてネイティブの人に歌われて、けっこうどきどきしました(笑)
向かいのビルの窓辺に
もたれたブロンドのレイディ
交差点みつめて道端で新聞かかえた
プエルトリコの少年は
ダイムを数える君から届いたエアメイル
ながめて暮したこの街にも
なじみの笑顔がふえてきた
元気でいるか それが聞きたい一日止まることのない
回転ドアに行き交う
男たちの影遠く離れたこの場所
他人の息づかいさえ
なつかしく思う今頃 君は眠りについて
時計は別々の時刻を指す
逢えないぶんだけ近くなる
目を閉じればすぐ隣りまでいくつもの出会いから
ほんの少しの友達ができたよ
うまく生きてゆくのは
あいかわらず下手だけど不思議さ 心に浮かぶのは
いつでも 君の怒ってる顔
今なら ふたりで暮らすのも
悪くないと 思い始めた今度向かいあったら
ほほえむだけでわかる気がする
うまく生きてゆくのは
あいかわらず下手だけど作詞 西門加里
作曲 木根尚登
キネバラは、数々の名曲があります。個人的にトップ3は、この曲と、「Girlfriend」と「Time Passed Me By」かな。あ、でも、「Winter Comes Around」もあった。うーむ。やはり、選ぶのは難しいです。毎回、レコーディングやミックスをする場所に影響されて、私は詩を書いているみたいです。このアルバムのミックスは確か、NYだったので、この詩の背景はNYです。この時期、私も何度もNYに行ってました。ウツ(宇都宮隆)と現地の友達と一緒にお買い物ツアーとか、ディスコとか行って、楽しい日々でした。でも、一番の思い出は、ひとりでふらふらさまよった、グリニッジ・ビレッジの風景です。お陰で「ファイブ・ソングス2」のネタを、いっぱい拾ってきました。ひとりで歩く見知らぬ街は、詩に使える情景とか、小説に使えるハプニングが、あちこちにあります。旅先では、できるだけ、孤独になったほうがいいと思ってます。この詩のように遠く離れた愛するものたちや、自分の気持ちと、じっくり向かい合えるから。私も、いまだ、うまく生きていくことはできません。
You can
Dance
(C) Mitsuko
Komuro
聞こえるね イントロダクション メロディ背中で聞いて
スペルの消えかけたビルボード ながめてる君
ビデオをつけたまま 今夜も眠りこむのか
待ち続けるだけじゃ チャンスは つかめやしないDo not pretend, stranger
(ごまかすな、見知らぬヤツ)
Do not pretend 明日に
Do not pretend のばすな
Do not pretend, You can dance
(フリをしちゃだめさ 踊ろう)Come on in motion(さあ 動き出せ) もう ひとりじゃない
Come on in motion ルールは いらない
Come on in motion フェンスを飛びこえ
Come on in motion 傷つきもしない
醒めた大人になるなんて急ぎすぎる You can danceYou can dance like a rock
You can dance like a roll灯りをつけて夜を照らせ 時間はあるさ
君の足音が この街のリズムをつくる
腕を組んだままで ピアノを見つめるのかい
好きなだけKeyを叩けばいい それがメロディKeep on shakin', stranger
Keep on shakin' 今夜を
Keep on shakin' 逃がすな
Keep on shakin' You can danceCome on in action ボリュームを上げて
Come on in action 君は君らしく
Come on in action 追いかけもしない
Come on in action 傷つきもしない
醒めた大人になるなんて急ぎすぎる You can danceYou can dance like a rock
You can dance like a roll聞えるね イントロダクション メロディ 背中で聞いて
もう誰にも夢みたものを ゆずりはしない夜が明けても You're dancin'
聞こえるね イントロダクション
夜が明けても You're dancin'
聞こえるね イントロダクション作詞 西門加里
作曲 小室哲哉
これは、ライブを意識して書いた詩です。だいたい毎回、てっちゃんから「これは、ライブで盛り上がれるように」という、指示がある曲があります。「You can dance like a rock You can dance like a roll 」ってところは、うーんと、まあ、言葉遊びなので、和訳はできませんでした。
私の中に、女にしては硬質な、形容しがたい雄々しい感情があります。何かを見極めたい時、何かをやり遂げたい時、そんな感情が私を支えてくれます。だから、男性が歌う詩を書くのに、違和感を感じたことがありません。でも、恋する時の生身の私は、けっこう健気な女だと思うんだけど……。あ、誰も聞いてない? たはは。
雨に誓って
〜 SAINT RAIN 〜
(c) Mitsuko Komuro
降りだした雨がペイブメント濡らして
君の前髪を水滴が飾った
ヒールを気にして駆けだした姿が
不意に消えそうで腕をのばしていたよ見上げたビルの壁に
ネオンのピンナップガールにじんでく握ったこの手に力をこめたのは
君の心まで雨が沁みこまぬようにあの時逢わなければ
それぞれ他人で生きていた束の間なら永遠
偶然なら未来に
きっと変えて見せるさ
You lose nothing Don't be afraid
(失うものは何もない 恐れるな)
君を汚したくない
君を失ないたくない
僕が僕であるため
Are you watching what we make out
(僕たちがやり遂げようとしてること、君は見ているかい)もし君がいつか悲しみに泣いたら
失くした笑顔をぼくが取りもどしたいひとりは似合わないね
ひとみが世界を映してるきのうの悔い 残さない
あしたの夢 わたさない
雨が冷たすぎても
You lose nothing Don't be afraid
君を壊したくない
君を放したくない
僕が僕であるため
Are you watching What we make out作詞 西門加里
作曲 小室哲哉・木根尚登
心から誰かを愛して、必要として、互いを理解し合えたと思うとき、「ああ、よくぞこの世界で、この人とめぐり合えたなあ」としみじみ思います。それは、恋人だけではなくて、仕事仲間、友達、ネコ(?)でも、そう思います。出会いは偶然、だけど、出会った後、関係性を育てるのは、自分の意思と責任が生まれる。仕事も、ほぼ出会いですね。私は今まで、一度も、レコード会社とかに「詩を書かせてください」というような営業をしたことがありません。たまたま、知り合った人が頼んでくれた仕事を、ひとつひとつ真剣にこなしてきただけでした。ラッキーなのかもしれないです。何者でもなかった私に、作詞だけではなく、漫画や小説を書くチャンスを与えてくれた人たちに対する、感謝の気持ちは一生消えないです。